日本一の米子城

【更新日】 2023年4月11日(火) KONOMATAのひとり言
米子市の中心地、湊山に築かれた米子城は、最近「絶景の城」全国一位に選ばれるなど特に注目を集めている観光スポットです。

先日、県外からのお客様をご案内しました。
この方は、歴史やお城に造詣が深く今回の訪問を楽しみにされていました。
鳥取大学病院の路地を曲がったところで、突然巨大な城壁が目に飛び込んできました。
車を湊山公園の駐車場に停めてから城に向かって歩いて行く時も、その方は興奮を隠しきれないようでした。

登城口から頂上の天守跡を目指しました。
私たちは、米子城の素晴らしい眺望を見せてあげたくて足速に歩こうとしました。
しかし、その方は米子城の城壁の石組みの素晴らしさに心を奪われていました。
このような立派な石垣は、高度な専門知識や技術を持った石工集団なくては築城できないと言われるのです。

日本は地震が多いので石垣も崩れやすいかと思いがちですが、石の組み方を工夫することによって少々の揺れではびくともしない石垣を当時の人は造っていたのです。
「人間の作る組織も石垣と同じで、同じ形や大きさを集めるよりも、いろいろな大きさや形をしているほうがよい組織になる。」とのことでした。

石垣をよく見ると、角の石はきれいに隙間なく積んであります。
そしてその石垣のカーブは、美しく弓なりのラインを描いています。
ところが中程の壁は、石の大きさがまちまちで隙間が空いてるようにみえます。
隙間には、小さい石が詰め込まれています。
その方の説明によると、石が内側に傾くように計算されて積まれているので、重力が分散され互いの石が支え合うような構造になっているそうです。
だから少々の大雨や地震では簡単に崩れません。

頂上の天守跡からの眺めは、米子市街の向こうに大山がくっきりとそびえ立ち、さらに見渡すと日本海、弓ヶ浜、中海が広がります。
その方のお話を聞きながら登った頂上は、お城は残っていませんが、日本一の名に相応しい素晴らしいお城でした。