仮殿遷座祭

【更新日】 2025年3月9日(日) KONOMATAのひとり言
   遷宮委員会を立ち上げて約2年。遷宮委員をはじめ氏子の皆様のお陰で、仮殿遷座祭が無事に斎行
 出来ましたことを心から感謝申し上げます。

  3月9日快晴。朝、8時半に遷宮委員の方40名が境内に集まり、最後の仕上げに取り掛かりました。
 前日までに、神様が行幸される経路に竹を立て、注連縄を張りました。
 今回は、本殿をお出ましになると拝殿を二周まわって30m先の社務所にお仮殿としてお鎮まりに
 なります。注連縄に紙垂(しで)をつけ、湯立て斎場を整え、最後に清め砂をまきました。
 お天気にも恵まれ、準備がはかどりました。

 午後2時から祭典が始まりました。
 まず神職は、斎館を出発し、湯立て斎場に向かいました。
 「湯立て神事」は、最上級の祓(はらえ)で出雲地方独特の神事です。
 湯釜に入れた水を沸かし、様々な舞や所作で祓の神様に降りていただきます。
 その湯釜に神職が竹の笹を浸して、祭典に関わるすべてのもの・人・ことを祓い清めるのです。

 次の斎場は、拝殿です。祝詞で正面の本殿にお鎮まりになっている神様にお遷(うつ)しすることをお伝え
 し障りなく無事に、御仮殿にお連れできるようにお願い申し上げました。
 厳かに御仮殿にお遷りになるために神職や遷宮委員の方が、それぞれの役割を果たして行列を組みます。
 典儀の神職が、神様に代わって参列者の名前を呼びます。呼ばれた人は、神様に聞こえるように大きな
 声で「オオー」と返事をします。

 いよいよ神様のお出ましです。本殿の中から御神体を収める内陣を宮司と禰宜がお運びし、御神輿に
 お乗りいただきました。御神体は神聖なので決して人の目に触れてはいけません。
 御神輿の回りをすぐに白い布を持った行障、絹垣の役の人が囲みながら行列に加わりました。
 
 楽が鳴り始め、行列は御仮殿に向けてゆっくりと進んで行きました。
 こうして無事に神様は、御仮殿にお鎮まりになりました。

 お仮殿での祭典が終わる頃には、夕日が明るく照らしていました。
 まるで神様と氏子のみなさまの気持ちがあらわれているかのようでした。